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イベント(セミナー) 2010年度
大学院物理学専攻・学部物理学系主催 オープン・セミナー
6月30日(水) 午後12時55分より、広津千尋先生によりますセミナーを、以下のとおり行います。皆様のご参加を歓迎いたします。
- (日時) 2010年6月30日(水) 12:55-14:25
- (場所) 明星大学 23号館 23-105
- (講演者) 広津千尋氏 (明星大学連携センター主幹研究員、東京大学名誉教授)
- (講演題目) 科学技術としての統計学 ― 新薬臨床試験、BSE、タミフル問題等を事例として ―
基礎的な数学理論が既にギリシア時代に芽生えていたことに比べると、 統計学の歴史は随分と新しい。Gauss(1777-1855)やLegendre(1752-1833)等の天才による 先駆的な仕事は別として、より積極的に、目的に沿って効率良くデータを 取得するための実験計画法と、得られたデータから最大限に情報を引き出すための 統計解析を柱とする近代統計理論は、ようやく1920年代に入って イギリスのFisher(1890-1962)によって開発・発展させられた。 ここで、Fisherが本来著名な遺伝学者であったことは注目に値する。 すなわち、統計学は今、解析、幾何、代数学等と並ぶ数学の1分科と 見なされているが、もっぱら理論的構成を貴ぶ純粋数学と異なり、 本来、実質科学の問題に応える現実的な学問として登場しているのである。 本講演では、新薬比較臨床試験、BSE、タミフル問題等、 社会的にも関心の大きな事例を通して、問題解決への統計科学的アプローチの 一端を紹介する。
連絡先
- 明星大学 理工学部総合理工学科 物理学系
- 鈴木陽子