大西洋奴隷貿易
歴史上、世界には、さまざまな奴隷制があり、奴隷貿易があった。古代ギリシア、ローマの奴隷制と19世紀の合衆国南部の奴隷制が有名であろう。イスラム圏の奴隷はマムルーク朝のように、国王の座にのぼることもあった。
大西洋奴隷貿易は16世紀から19世紀に、西欧諸国(ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランス)が西アフリカを中心に黒人奴隷を購入して、彼らを南北アメリカ、特に西インド諸島やブラジルで販売した貿易をさす。
西インド諸島はカリブ海に浮かぶ島々を指している。特にイギリス領のジャマイカやフランス領のイスパニョーラ島(サント・ドミンゴ島: 現在のハイチ共和国)などで、奴隷によって、サトウキビやコーヒーが生産された。ポルトガル領のブラジルでも、砂糖が生産された。棉花や米・タバコの栽培に従事した合衆国南部の奴隷の多くは、西インド諸島から輸入されたり、再生産(出産・養育)でまかなわれていたので、大西洋奴隷貿易に占める合衆国南部の割合は少ない。ブラジルと西インド諸島の各々が、大西洋奴隷貿易で輸入された奴隷のほぼ半数を占める。1000万人の黒人奴隷が輸入されたとすると、400万ほどがブラジルへ、360万ほどが西インド諸島に輸入された。残りの大半がスペイン領のアメリカに向かい、ほんの数パーセントが合衆国南部とオランダ領のアメリカに輸入された。
大西洋奴隷貿易のためのアフリカの組織
大西洋奴隷貿易の終焉