児島研究室

ページの紹介

児島研究室(通称、koma lab)は明星大学経済学部経済学科の児島秀樹教授と明星大学の学生によって運営されています。

If you have any questions about this page, contact Kojima(koma at econ.meisei-u.ac.jp).

独楽研のページ
種類内容補足説明
学生専用担当科目講義ノートなど講義ノートは学生(講義受講生)にのみ公開されています。
学会情報情報知識学会

興味のある人は雑談、趣味、研究も見てやってください。

歴史は知の基礎体力のようなもの。人間が実際に何を行ってきたのか、どのように自己の行為を正当化し、他者を非難して、集団的利己主義を貫いてきたのか。国家や会社のような特定の社会集団への帰属意識によって、どれほど他者と喧嘩し、無駄なエネルギーを費やしてきたのか。そのような人類の愚かさを知ることができるのが歴史でしょう。歴史の知に裏づけのない人間科学は空想でしかない。それくらいに、歴史は知を刺激するものです。

F.ベーコン(1561-1626)は随筆で、Histories make men wise; poets witty; the mathematics subtile....と言う。歴史は判断力を鍛える、という意味で、歴史を知れば、賢くもなるでしょう。


勉強・研究に使えるlink集

以下のものは、イギリス経済史+αの関心から、気になるページです。MUSEやJSTORなどのように、雑誌もon line化されてきて、全文「検索」しながら、研究を進めるという研究手法が生まれつつある。

イギリス経済史関連の資料・史料・文献・論文
組織・個人名URL内容補足
英国古文書館http://discovery.nationalarchives.gov.uk/SearchUI/奴隷制に関しては、ここのhttp://www.nationalarchives.gov.uk/records/looking-for-person/slaves-and-slave-owners.htmなどを参考のこと文書館の資料を検索できる。教育用の配慮も行き届いている。
Legacies of British Slave-ownershiphttp://www.ucl.ac.uk/lbs/現状では1833年の英国領での奴隷制廃止に伴う補償金の支払いに関する資料の検索ができる今でも、高い評価を受けているが、英国領の奴隷制の研究にはかかせないデータベースになる予定。
The Trans-Atlantic Slave Trade Databasehttp://www.slavevoyages.org/tast/index.faces大西洋奴隷貿易のデータベース多くの研究者の協力を得て、作成された大西洋奴隷貿易のデータベース。現状(2014年)これに勝るデータベースはない。
ウィルバーフォースhttp://www.wilberforcecentral.org/wfc/index.htm英米の奴隷貿易廃止200年記念のサイト主に英国の奴隷貿易に関するもの
Global Commodity Prices Databasehttp://www.gcpdb.info/index.html世界の商品物価のデータベースヨーロッパのデータは充実していそうだが....。A History of Market Performance: From Ancient Babylonia to the Modern World (Routledge Explorations in Economic History)で紹介されていたサイト。
The African-American Mosaichttp://www.loc.gov/exhibits/african/afam005.htmlアメリカの議会図書館によるアフリカ系アメリカ人の歴史や文化の解説
African American Odysseyhttp://memory.loc.gov/ammem/aaohtml/exhibit/aointro.htmlアメリカの議会図書館が開設しているアフリカ系アメリカ人の資料(書籍、政府文書、楽譜等)
British Abolitionistshttp://www.brycchancarey.com/abolition/英国の奴隷廃止論者Anthony Benezet等、奴隷制・奴隷貿易廃止に関係した人物の伝記。キングストン大学のBrycchan Careyが開設している所らしい。
Slavery, Abolition and Social Justicehttp://www.slavery.amdigital.co.uk/Default.aspx奴隷制等に関する史料や地図等を参照できる。有償のサイト:無償では見られない。British Library, Anti-Slavery International等の資料の寄せ集め
Fordham Universityhttp://www.fordham.edu/halsall/africa/africasbook.aspアフリカ史全般の資料集アフリカ史の中で奴隷制などは経済史でも参考になる。
BOPCRIS(British Official Publications Collaborative Reader Information Service)http://www.bopcris.ac.uk/British Official Publications(1688-1995)の参考データ下院議事録など英国の公的史料の検索が行える。探したい史料を見つけるためのデータベースなので、抄録が多い。
Online Library of Libertyhttp://oll.libertyfund.org「自由」に関連した書籍の電子テキストの提供アリストテレス、バーク、カルヴァン、キケロ、コブデン、クク、ダンテ、エラスムス、グロチウス、ハリントン、ホッブス、ヒューム、ジェファソン、カント、モンテスキュー、スミスなどの電子テキストが提供されている。
The Edmund Burke Societyhttp://www.kirkcenter.org
/burke/index.html
エドマンド・バークに関する情報が手に入る。電子版のバーク協会ニュース・レター「Reflections」もおもしろい。
アメリカ議会図書館http://www.loc.gov/index.htmlThe Library of Congress への入口議会図書館所蔵本の中でフルテキストが手に入る場合もある。たとえば、「奴隷と裁判所1740-1860」(http://memory.loc.gov/ammem/sthtml/sthome.html)では100冊以上入手可能
Google Book Searchhttp://books.google.com世界の電子図書館への入口フルテキストが手に入る場合もあれば、スキャンされただけのものもある。1例:John Woolmanの本も読める
Project Gutenberghttp://www.gutenberg.netボランティアによって、1.2万冊をこえる電子テキストを提供電子テキストを手に入れようと思ったら、まず、ここを覗いてみるのも手である
Open Libraryhttp://openlibrary.org/電子図書館そのものPDFやePub形式等での100万冊以上の電子本が利用できる
Electronic Test Centerhttp://etext.virginia.eduヴァージニア大学の電子図書館テキスト形式だけでなく、MS社のeBook形式の書籍も手に入る。1例:Mary Wollstonecraftの本も読める。
Delaware大学図書館http://www2.lib.udel.edu/
subj/hist/resguide/parl.htm
British Parliamentary Papersの検索ガイドイギリス議会史料の解説は多い。大学所蔵のものに限られてはいるものの、ここは体系的に解説してくれている
Making of Americahttp://quod.lib.umich.edu/m/moagrp/南北戦争前後の史料集ミシガン大学の電子図書館の一つ。1万冊の本、5万冊の雑誌が利用できるらしい
Abraham Lincoln Association Serialshttp://quod.lib.umich.edu/a/alajournals/1940-52年の雑誌論文ミシガン大学の電子図書館の一つ。The Abraham Lincoln Quarterlyのデジタル版
Peter Davis(HMS Surprise)http://home.wxs.nl/~pbdavis/
Legislation.htm
HMS Surpriseにほれて(?)、作成された個人的ページ(趣味のページ?)。ここには帆船のシュミレーション・ソフトもあるが、左記のページは英国の奴隷貿易関連の法令のリストとフル・テキストが載っている。
International Journal of Naval Historyhttp://www.ijnhonline.org/海事や海軍の歴史に関する国際的な雑誌学術雑誌
ハクルート協会http://www.hakluyt.comハクルート協会の会員・出版案内言わずと知れたハクルート協会。西欧の世界進出に関連する学術系の権威ある書籍は、英語圏では、この協会が出版している。
JSTORhttp://www.jstor.org学術系論文の電子図書館(いわば過去ログ)明星大学では2008年4月現在、JSTORのビジネス系の論文のみ、利用可となっている。多くの学術雑誌に関する電子図書館として機能している。ただし、著作権等の関係で、最新版を除く。他のデータベースで最新版を見て、数年以上前の過去の学術論文を参考にしたくなったとき、JSTORが生きてくる。次のMUSEも同じ
MUSEhttp://muse.jhu.edu/
Newberry Libraryhttp://www.newberry.org/ahcbp/ニューベリ図書館:歴史地図に詳しいここの http://www.newberry.org/ahcbp/state_index.html では、アメリカの一部の州に関して、過去と現在の行政区画を参照できる。
ICPSRhttp://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/icpsr.htmlICPSR国内利用協議会の入り口アメリカの社会科学系データが多い。歴史資料も若干ある。研究者が個別に作ったデータが提供されている。
Webcathttp://webcat.nii.ac.jpNACSISが運営する大学図書館の蔵書検索この検索で出てこなくても、貴重な図書をもっている図書館も多い
東京都図書館横断検索http://metro.tokyo.opac.jp東京都の都立・区立・市立図書館をすべて検索できる図書館間で貸借してくれるので、国会図書館の書籍も含めて、公立図書館の図書の大半を在住地の図書館で借り出せる
History of Economic Thoughthttp://cepa.newschool.edu/~het経済学史をタダで勉強できる。500人以上の経済学者の説の解説日本語版は山形浩生のページ http://cruel.org/econthought/index.html にある
Anti-Slavery Internationalhttp://www.antislavery.org/english/現代の奴隷制廃止運動組織Kevin Bales, "Disposable people : new slavery in the global economy", (2000)、参照のこと
サンダース教授の講義http://www.okbu.edu/academics/
BASS/HistPSC/Sanders/
Oklahoma Baptist Universityの歴史学授業西洋の古代史、中世史が中心であるが、近現代も含む。
ポーター助教授の講義http://duke.usask.ca/~porterj/University of Saskatchewanの古典文学の授業このページの/CourseNotes/slavery.htmlには、古代奴隷制の文献リストが載っている
古代ローマ資料集http://intranet.dalton.org/
groups/rome
Dalton School作成このページの/RMap.htmlは、帝政ローマ期の地方を確認するのに便利。その他、古代ローマに関して大学院レベルの知識を得られる
ibiblio(public's library and digital archive)http://www.ibiblio.org さまざまなリンク集と心得てOKでしょう
中国まるごと百科事典http://www.allchinainfo.com/中国の歴史地図、年表等、「教育」に必要な情報が手に入る。感謝
UGOKYhttp://www.ugoky.com/chizu/ugoky_chizu.swf中国+αの地図に、1年から2000年までの国名と、その領土がアニメのように展開する面白いが、http://www.geocities.jp/mapqin/ のように詳細であったら、どうなるのであろうか?

メモ

18世紀頃の英国の貿易や植民地に関しては、交易委員会(Board of Trade)の資料が重要である。この資料はCO1と略称されるものと、Calendarからなる。CO1は正式名称がPrivy Council and related bodies: America and West Indies, Colonial Papersで、1574〜1754年の史料が残っている。これはイギリスの文書館でないと見られなかったが、2007年11月以降、今は日本からでも、電子データが利用できる。Calendarは正式名称がThe Calendar of State Papers, Colonial: North America and the West Indies 1574-1739であるが、紙で出版されていて、日本でもいくつかの大学図書館で利用可能であった。これは数年前にCD-ROMで出てきたが、今は、CO1と一緒にProQuestで読める。(年間講読約六十数万円以上から始まって、いくつかの形式の講読方法があるらしい。個人の研究者ではなかなか手が出ない)以前は、Calendarを探し回っていた日本の研究者からみると、資金さえあれば、まさに便利な世の中になった。
では、その交易委員会とは何か。ここでは、簡単に英語版のウィキで紹介されている、「Board_of_Trade」を要約しておく。
交易委員会は英国の枢密院(Privy Council)の委員会として組織され、現在でも、それを受け継ぐ部局は存在するようである。1621年にジェームズI世が、交易衰退の原因とその結果として生じた資金難を調査するために、臨時の委員会を設立するよう枢密院に指示を出した。交易委員会の正式名称はThe Lords of the Committee of Privy Council appointed for the consideration of all matters relating to Trade and Foreign Plantationsである。
1696年にアメリカの入植地等との交易を推進するために8人の有給の委員(commmissioners)が任命された。これで生まれたThe Lords Commissioners of Trade and Foreign Plantationsが交易委員会として知られるようになった。これは枢密院とは別の組織である。その後、紆余曲折を経て、1761年には混沌状態に陥り、1782年にロッキンガム・ウィッグが議会法で交易委員会を廃止した。
しかし、小ウィリアム・ピットが1784年に再組織して、その後の基礎が築かれた。
委員の名前は下記に載っている。 http://www.british-history.ac.uk/report.aspx?compid=16802


雑学

歴史を勉強していると、雑学的知識も増える。

資料的雑学

辞書によると、時間を表す o'clock は of the clock の短縮形である。英国議会の報告書などで、「the House, having continued to sit till Half an Hour after Six of the Clock on Tuesday Morning, adjourned till this Morning, Eleven of the Clock」というように、本来の形で書かれているのに接すると、なるほどと思う。

基礎知識的雑学

ブラジルという国の名前はBrasil woodから名付けられ、それを「蘇芳」と訳しているのは、常識に近い歴史学上の雑学。Brasil Woodは学名:Caesalpinia echinataで、別名Red wood, Pau-Brasil, Pernambuco wood。
しかし、日本の蘇芳とBrasil woodが同じかどうかになると、ちょっと、その手の専門家の本を読まないと、確認できない。植物学で調べることもできるし、蘇芳は染料木なので、染め物で調べることもできる。増井幸雄・神崎夏子『植物染めのサイエンス:万葉の色を化学する』ポピュラー・サイエンス281、裳華房、2007年、p.78に最低限の知識がうまくまとめられてある。この本を参考にしながら、他の資料も加えて、まとめると、歴史家としては次のものが正解のように思われる。
庭木に紅紫色の花を咲かせる花蘇芳(Cercis chinensis)という木があるが、これは、蘇芳とは別種。花の色が蘇芳の染め汁の色に似ているらしい。
蘇芳(Caesalpinia sappan: Sappan Lignum, 別名Sappan Wood)はインド、マレーシアの原産で黄色の花をつけるが、心材は赤く、赤色の染料木として、飛鳥・天平時代から日本で使われていた。ブラジル・ウッドより明るい。
ブラジル・ウッドはブラジルや西インド諸島に産するもので、心材は蘇芳と同じで、赤色。ポルトガルが1500年にブラジルを発見し、商品作物として、ブラジル・ウッドが大量にとれたので、この地域はブラジルと名付けられた。それなのに、現在、ブラジルの木は自然状態では「絶滅危惧種」に指定されているほど、数が少なくなっているようである。西欧は遅くとも十字軍時代には、西アジアからブラジル・ウッドを染料木として、かなりの数、輸入していたことが知られている。それ以前の歴史はよくわからないが、ベルベット(ビロード)のような高級な織物用に赤色の染料として利用されたらしい。

パソコン的雑学

応用ソフトでも、誰でも知っていそうなことでも、最近、初めて知ることも多い。OpenOffice.orgのCalc(表計算ソフト)等で、「表示」の「ズーム」を選ぶと、倍率が変わるので、小さな字を見るのがきつくなった老人には、ありがたい。WindowsXPなどでは、画面の適当な箇所で、マウスを右クリックして、画面のプロパティを表示し、「デザイン」タブでの「フォントサイズ」で「特大フォント」を選んだり、同じく画面のプロパティの「設定」タブにある「詳細設定」でDPIサイズを大きくしたりすると、文字が大きくなる。
Mozilla Firefox(ブラウザ)では、文字のある箇所で、1クリックでその場が選択され、2クリックで、そこにある漢字列数文字かカナ列数文字かひらがな列数文字が選択され、3クリックでその段落全体が選択され、ctrl+aで全文が選択される。たいしたことのない動きだが、copy&pasteなどで、威力を発揮することもある。
超漢字OSのエディタでは、ctrl+1、ctrl+2、ctrl+3で、原稿・詳細・清書モードに変わるが、これは、Windows上のエディタやワープロでは得られない快感、使い勝手の良さがある。文字の大きさ、色、揃えなど、さまざまな書式を目の前で整理できるのだから。使い始めたら、やめられない。超漢字上の「文字検索」ソフトや「実身仮身検索」機能なども、Windows等でもある程度可能だし、もっとすごい機能のものもあるのだけど、あれほどシンプルで使いやすいものはなく、超漢字の魔術のほうが人に優しくて、使い勝手がいい。Windowsが超漢字化するとか、超漢字にWindows用のソフトが載ると、文系人間としては、パソコン環境で苦労することがなくなる。

インターネットの情報

インターネットで検索していると、思わぬ情報を手に入れることがある。カリブ海プランテーション史研究の大家の一人、Barbara L. Solowの本(The Economic Consequences of the Atlantic Slave Trade)が出版されるというので、どんなものかと思って、調べていたら、追悼文に出会った。 http://mvgazette.com/obituaries/2014/02/20/barbara-l-solow-90-loved-red-sox-sunday-football ご冥福をお祈りします。(2014年4月22日記)