学術出版社WILEYが出版する地球物理学分野の有力国際誌の一つGeophysical Research Lettersに掲載された理工学部 亀卦川 幸浩(きけがわ ゆきひろ)教授らの以下の論文が、発表後1年の間の最多ダウンロード論文の一つに選出されました。
Sugawara, H., Ishidoya, S., Terao, Y.,Takane, Y., Kikegawa, Y., & Nakajima, K. (2021). Anthropogenic CO2 emissions changes in an urban area of Tokyo, Japan, due to the COVID-19 pandemic: A case study during the state of emergency in April.May 2020. Geophysical Research Letters, 48, e2021GL092600. https://doi.org/10.1029/2021GL092600
当該論文は、自動車や建物等の様々な排出源から排出される二酸化炭素の実態排出量を高度な大気観測手法により排出源別にモニタリングする技術を開発し、同技術を新型コロナウイルス感染拡大に伴う2020年4-5月の緊急事態宣言期間内の東京(渋谷区代々木地区)へ適用し、外出自粛等による二酸化炭素の地域内排出量の変化を検出可能であるかの検証を行った論文です。成果として、代々木地区の二酸化炭素排出量が20%減少したことの検出に成功し、その減少が自動車由来排出量の大幅減と都市ガス由来排出量の微増に依ることを突き止めました。以上の研究にて開発された大気観測手法は、地球の気候変動緩和に向けた各種の二酸化炭素排出削減対策の効果を排出源別にモニタリングする為の新手法として期待されています。
なお、以上の研究は、環境省の地球環境保全等試験研究費、独立行政法人環境再生保全機構の環境研究総合推進費、日本学術振興会の科研費による支援を受け、国立研究開発法人産業技術総合研究所、防衛大学校、国立研究開発法人国立環境研究所および明星大学が共同して取り組んだものです。詳細については、下記「関連資料」を参照ください。
関連資料
明星大学 新着情報(2021.07.30発信)「理工学部総合理工学科 亀卦川 幸浩教授が携わった共同研究にて、 緊急事態宣言発令に伴うCO2排出量の変化を東京住宅街において検出」